3月に入り、少しずつ作業場での加工も寒さがマシになってきています。
中川忠工務店の中川義仁です。
先日、鉋調整をしました。
【愛用の鉋 3つ】
鉋の刃の手入れや台の調整は、木材を削っていくうえで非常に重要です。
写真のような平鉋は、木材の表面を削り、凹凸をなくして平らで滑らかに仕上げるときに使います。
その時に、鉋の調整が出来ていないとうまく削れないんですね~
鉋の刃の研ぎ方や台の調整は、経験とコツが必要になります。
今は鉋を扱える大工も減ってきていますが、私は基本的な大工の技術を大切にしています。
【大工弟子も鉋掛け。技術力が上がっています。】
若い大工にも、基礎的な大工の技術を学ぶことで、より家づくりの仕組みがわかったり、いろんな現場での応用がききます。
弊社は新築だけじゃなく、リフォーム工事も行います。
特に築年数が相当年数以上経過しているおうちなどでは、大工の技術力が試されます。
そして。私も鉋掛けを行いました。
【栃の木】
今回鉋掛けを行ったのは、この“栃の木(トチノキ)”です。
栃の木は、絹のような美しい光沢がある銘木。
木肌は緻密で、表面の仕上がりも良好です。
今、家づくりをさせていただいておりますY様邸。
新築に伴い、Y様の既存住宅を解体させていただいたときに、この栃の木を取っておきました。
そして、新しく建つおうちのベンチとして再利用すべく、鉋掛けを行って加工していきます。
鉋を掛けると、このように美しい光沢がよみがえってきます。
この木ならではの木目の出方もおもしろいところ。
家族の歴史や思い出を引き継ぐ家づくり
昔の家づくりは、今では手に入りにくかったり、高価な銘木が使われていることがたくさんあります。
しかし家が古くなり建て替えを行う場合は、使えそうな銘木を取っておいて、新しい家で工夫して使うことがあります。
天然の銘木は、何十年と良い状態を保つことができます。
また家にはそれぞれ、そこに住むご家族様の歴史と思い出が詰まっています。
その思い出の一部を再利用することで、家族の歴史を後世に紡いでいけます。
思い出の柱、梁、など、懐かしい古傷もそのままに残すこともできます。
そういった際に、大工の手仕事がいきてくるんですね。
古き良き技術も、これから重要な新しい工法も。
どちらも柔軟に対応し大工の技術力を高め、お施主様のご希望が叶う家づくりができるよう、これからも精進いたします。
Y様のベンチも完成しましたら、またご紹介します。
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