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全館空調のメリット・デメリット・注意点

温暖な地域と言われる大阪ですが、それでも冬はやっぱり寒い・・・。
中川忠工務店中川義仁です。

大阪の中でも枚方は京都府との境目に位置し、夏は暑く冬は寒い地域・・・。

冬は暖かく夏は涼しい快適な住まいの重要性を痛感します。

ミニチュアブルテリア中川忠工務店の看板犬、ミニチュアブルテリア楓も洋服着てぬくぬく・・・】

寒さが身に染みる日こそ、住宅性能の重要性を感じます。

最近は、「一年中快適な暮らしを送りたい」というご要望も多く頂戴し、住宅性能を重視した家づくりをされる方が増えています。

そして、家全体の空調を一括で管理できる、「全館空調」に興味を持たれ、選ばれる方もいらっしゃいます。

そこで、今回のブログでは、私が思う、「全館空調」のメリット・デメリット、注意点をまとめたいと思います。

「全館空調」とは?

全館空調は、家中の空気をまるごと一括して空調と整えるシステムのことをいいます。

少し前の日本の住宅では、LDKや居室毎にエアコンなどの空調設備を設置し、それぞれの部屋毎で空調を管理するのが主流でした。

それに対して全館空調は、主に一台で家全体の空調(冷暖房・換気・空気清浄)を管理。
家全体の空調がほぼ均一に整い、24時間、快適な室温・湿度に保つことが出来ます。

LDK【パッシブハウス認定申請中:宇治の家では、冷暖房・除湿・空気清浄・換気を機械1台で行います】

LDK【長尾の家(Q値1.06 Ua値0.28 C値0.1)では、冷暖房1台・換気設備1台・空気清浄機1台】

全館空調のメリット

1,家中どこでも心地良い室温で過ごせる

全館空調を導入する大きなメリットは、
家中どこにいっても快適な室温を保てる』ところ。

計画的な機械換気で、常に家中の空気を清潔に保つこともできます。

2,嬉しい健康効果

常に整った温熱環境の元、生活することが出来るので、
冬に怖いヒートショック(激しい寒暖の差が起きることにより、血圧が急激に変動し、脳梗塞や心筋梗塞等の重篤な病を引き起こすきっかけとなる現象のこと)を予防したり、風邪を引きにくなる、アレルギーやアトピーなどの発症を抑える、などの嬉しい健康効果も期待できます。

快適な室温で過ごすことは、思っている以上に私たちの身体にも精神的にも、暑さや寒さからくるストレスを無くすことで良い影響を与えます。

寝室【嬉しい健康効果の感想をいただきました】

3,ランニングコストを抑える

また、しっかりした断熱性・気密性を高めて施工した住宅は、空調に掛かる費用(電気代)が掛かりにくいというメリットもあります。
家全体を24時間空調を整えることで、掛かる電気代が心配というお声もありますが、断熱気密施工・空調計画をきちんと行うことで、冷暖房が効きやすく、電気代もかさみません。

4,メンテナンスのしやすさ

全館空調は、設置する空調の機械が少ないので、必ず行わなければならない空調の機械のメンテナンス(フィルターのお掃除、点検等)が少なくて済むのもメリットの一つ。

全館空調のデメリット

1,機械の故障時に注意

全館空調のデメリットは、空調管理を1台の機械で行っている場合は、機械が故障した時に不便を感じることかなと思います。

機械なので、永遠に正常に動く、ということはあり得ません。

いつかは修理や交換が必要になってきます。

2,家族の体感の差に注意

1台で空調を整えている場合、家族の中での体感の差で寒い・暑いの違いが出てくる可能性があります。

例えば元気なお子さまと、高齢の方では、暑さ・寒さの感じ方に差が出ます。

また、1台での空調管理になると、温度設定を変えた時の室温の変化が、家全体に伝わるのに少し時間が掛かります。

ゼンダー【この機械1台で、空調・除湿・空気清浄・換気が可能】

3,間取りの工夫が必要になる

全館空調を行う場合、家中の空気がきちんと巡りやすいように、間取りの工夫を行います。

スノコ床【スノコ床】

たとえば、吹抜けやスノコ床を設けて、1階2階の空気が回りやすいようにしたり、
部屋は区切りすぎないように、空気の循環ができるように工夫します。

また、全館空調の機械はある程度の機械音がしますから、設置場所の工夫にも注意が必要です。

4,湿度管理に注意

断熱性・気密性を高めて行う全館空調ですが、空気が乾燥気味になるという注意点があります。

洗濯物を部屋干しする、加湿器を利用するなどして、湿度管理に注意する必要があります。

家事室【家事室を設けて、洗濯物を室内干しに】

全館空調の注意点

24時間空調が心地良く整い、冷暖房設備も1台でOK・・・、とは言いますが、家中の空気を機械1台で整えるには、必ず綿密な設計と、手厚い断熱・気密施工が必要になってきます。

全館空調【全館空調の機械】

全館空調にしたけど、思ったより寒い、暑い
という結果にならないように、しっかりとした事前の計画と施工が重要です。

特に重要な断熱施工と気密施工です。
低断熱な住宅性能では、せっかく全館空調を行っても、空調は思ったように整いません。

また、デメリットのところでも記載したとおり、人の体感には大きな差があります。

暑がりな人、寒がりな人、この差を埋めるには全館空調では難しいところもあります。

そこで、全館空調を行いながらも、気になるところには個別で冷暖房設備を設けておくのも一つの方法です。

万が一の時の為に、冷暖房設備を増やせるように、新築時に空調が付けられるような配管計画をしておくこともおススメです。

LDK【香里の家(Q値1.04 UA値0.29 C値0.2)では、冷暖房設備1階1台、2階1台】

全館空調にご興味がある方は、お気軽にご相談くださいね。

 

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