大工の基礎技術を習得することで、家づくりがもっと楽しくなる
大工暦30年以上の中川忠工務店の中川義仁です。
先日若手大工と一緒に、“削ろう会”という、日本の伝統的な大工の技術が見られるイベントへ行って来ました。
◎よかったらこちらのブログをお先にどうぞ
場所は長野県伊那市。
枚方市からおよそ300キロ程?!
なかなかの距離ですが、できれば若い大工たちにはいろいろな経験をさせたい。
そういう想いがあり、みんなで行って来ました。
ふだん、行く機会の少ない信州方面。
車窓からのぞく景色も、関西とは全然違うものでしたね~
【5月ですが、山頂には雪が残っていました】
蕎麦好きな私。
美味しそうなお蕎麦屋さんがあると聞いて、途中腹ごしらえ。
車を降りると、なんだか空気が違う。
自然に囲まれて心地良く、空気が美味しい。
そんな中いただく、手打ち蕎麦~
うまかったです~
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そして、こちらも立ち寄りました。
道の駅奈良井木曽の大橋です。
【奈良井木曽の大橋】
美しい総桧作りの太鼓橋。
橋脚をもたない橋としては、日本有数の大きさなんだとか。
とても頭の良い方が考えたんだろうなあ~この造り。
とにかく圧巻でした~
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そして、いよいよ削ろう会へ。
会場入口前では、大きな丸太がたくさん!
この丸太の皮をはつったり、めちゃくちゃ太い丸太を割るイベントが行われていました。
【太い丸太を割っています】
【釿(ちょうな)を使って木を削っているところ】
ご存知ですか?
木は元々、こんな丸太なんですよ~(笑)
知っている方がほとんどだとは思いますが。
もしかしたら丸太を見たこと無い方は、こういった丸太から家づくりなどに使われる木が加工されていることを知らないかもしれませんね~
今では、機械が加工してくれますから。
丸太のハツリ(皮を取っていく作業)を、大工は滅多にやりません。
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私が小学生位の頃は、それでもこの丸太のハツリのお手伝いをしていました。
歳の近い兄弟や従兄弟と一緒に、よく丸太の皮を剥いだものです。
その頃は、こういった作業が楽しかったことを覚えています。
頑張るとほめられてうれしかったりして。
歳は若い松川大工と武田大工ですが、この丸太のハツリを経験したことがあります。
弊社では今はやることはほとんどありません。
二人ともその作業が懐かしいようで、ハツリをさせてもらってましたね~
【松川大工】
【武田大工】
動画はツイッターからどうぞ~
今では見ることの少ない、丸太のハツリ作業。
— 緒方ゆうこ 枚方の中川忠工務店で綺麗を作る家づくりサポート (@ogata_nakachu) May 11, 2019
この作業が久しぶりだという松川大工に、
「もっと木の気持ちになって!
木目をよく見て、どう斧を振り下ろすか考えて」とのアドバイスが。
ふ、深い。
相手のことを考える大切さをココでも感じる(^^)#大工 #削ろう会 pic.twitter.com/VLQbL3AoNE
いやあ~二人とも若い!元気!笑
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今ではこういったことができる大工さんは減ってきているかもしれません。
でも、私はこういう作業を経験しておくことも大工としてとても大切なことだと考えています。
◎古き良きだけが良いというわけではない
◎機械を使わず手仕事が良いといっているのではない
◎でも木の本質を知るには大切なこと
弊社は、家づくりから神社の境内や鳥居の工事をさせていただくこともあり。
古き良き日本の伝統的な大工の手仕事ができる大工が揃う工務店です。
そしてそれは、手前味噌ではありますが、素晴らしい日本の大工技術だと自負しております。
もちろん、「古いから良い」という単純な理由ではありません。
新しい家づくりの技術も、当然大切です。
古き良き技術と、これからの家づくりに欠かせない断熱気密施工など。
今出来る、最高に住み心地の良い家が建てられる体制を常に整えておくこと。
これが大切だと思っています。
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松川大工や武田大工がやっていた丸太のハツリ。
これも、単純に手斧を力いっぱい振り回しているわけではありません。
大切なことは「木の目をきちんと読むこと」。
木の気持ちになって、木の目にそって手斧を入れていくこと。
これが大切なんです。
これがわかると、力任せではなくもっと上手にハツリができるようになっていきます。
このように、いつでも木のことを考えること。
これはとても重要なことだと私は思います。
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「木」は伐採されてからも生きています。
自然素材である無垢材は、呼吸しているかのごとく自然に湿度を調湿する効果があることはご存知でしょうか。
有害な物質を除去してくれたり、ヒトの神経を沈めてくれる効果があったり。
良い香りをただよわせてくれたり。
空気の状態によっては、乾燥して割れがおきたり、木がそってくることも。
これはすべて「木が生きているから」だと私は考えています。
そういった木の性質を熟知したうえで家づくりを行うこと。
これが、私たち大工にとっては非常に重要なことなんです。
木にも、硬い木、乾燥に強い木、割れやすい木、いろいろな特長があります。
そういった特徴をいかして、家づくりに自然の木を取り入れること。
割れたりそったりする自然素材である無垢材を、扱いが難しいと考え、家づくりにおいて集成材が多く使われるようになりました。
(集成材とは、断面寸法の小さい木材を接着剤で再構成して作られる木質材料のこと)
安価で扱いやすい集成材は、瞬く間に多くの方が使うようになりました。
でも、近年は、自然素材である無垢材の良さが見直されています。
「木が生きている」ことを思えば、そりや割れも、自然なことだと感じられます。
生きている木を上手に使えるかどうか、私たち大工の腕にかかっています。
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木の扱い方を身体で覚えるためにも、昔ながらの大工の手仕事を経験しておくと、家づくりにいかすことができます。
【丸太の大木が割れました】
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こちらも非常に珍しい。
槍鉋(やりがんな)で、木の表面を整えているところ。
台鉋(だいがんな)が出てくる室町時代後期以前は、この槍鉋が主な道具として使われていたそうです。
この槍鉋は扱いが非常に難しいです。
【槍鉋(やりがんな)】
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そして、削ろう会全国大会の競技のひとつでもあった、
「五寸鉋(ごすんかんな)」
をつかった、鉋削り。
五寸は、15.152センチメートル!
かなり幅広い大鉋です。
この鉋は私も使ったことはありません。
このような大きな鉋を扱えるようになるには、かなりの練習と緻密な台や刃の調整が必要になります。
【五寸鉋を使っての、鉋削り】
このような日本が誇れる大工の伝統技術を見て、こういった技術の良さを感じ、
そして、その良さを今の建築にどういかすのか。
それを考えていくのもひとつの楽しみだなあと、削ろう会に行って改めて感じました。
これからの家づくりを担う若い大工たちには、こういった伝統技術の素晴らしさを肌で感じてもらえたら嬉しいです。
そして、今後ますます技術を磨き、そこに住まう方たちが本当の意味で心地良くすごせるあたたかい家づくりが出来る糧にしてほしいと願います。
これからも、住まい手にやさしい健康な家づくりができるように。
私も若手大工とともに、がんばっていきます!
本日は以上です。
***イベントのお知らせ***
今年で開催が7回目となりました、
ヒラカタ縁JOYカーニバル 2019
枚方市長尾宮前の、菅原神社様境内にて行われます~
2019年5月26日(日)10時~15時!
今のところ、お天気も良さそうです!
美味しいものたくさんの飲食店ブースに、宮城や熊本などの物産展!
おもしろいステージイベントなど盛り沢山。
今年も、熊本からくまモン来場決定してます~
中川忠工務店では、自然素材の無垢材でつくった積み木の遊び場を開放します~
お気軽に遊びに来てください。
たくさんの方のご来場をお待ちしております!
◎詳しくはコチラ
■□あたたかく過ごせる家づくり。家族が笑顔で元気に過ごせる住宅を建てる□■
株式会社中川忠工務店
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